【テニス】フェデラー選手・ナダル選手の打ち方・具体的ラケット操作説明

 

 

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(1枚目画像右上のアニメーションは「アドベンチャータイム」。フェデラーナダル選手の腕の動き、このアニメの動きに似ています。)

 

※アニメーションは、あくまで「外見が」似ているだけです。

彼らのラケットの扱い方には、怪我をしない【動かし方のポイント】がいくつかありますのでなんとなくで真似をしない方が良いです。

 

この説明を最後まで読み終わる時には、この動きの注目するべき重要ポイントが頭の中で明確になり、よりラケットワークがシンプルに楽になると思います。

 

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(フェデラー2018)

 

目次

1. はじめに

2. 考え込まれたラケット動作過程

3. 身体が貧弱であるからこそ

4-①. フェデラー選手の打ち方

4-②. ボールの触り方

4-③. 手のひらはラケット返し動作の開始点

4-④. ラケット面に垂直にボールが接触

5. 古くなったストリングは非効率

6. 最後に(呼吸)

7. 単純明快なイメージまとめ

 

 

 

1.【はじめに】

以下の説明は、メカニカルな細かい構造を説明しながら、それを知った上で「どういったイメージを持てば本番でその通りに身体が動かせるのか」のフィーリングを示します。

構造だけ理解できたとしても追い詰められた状況で動かせるかとなると別の意識が必要です。

 

本番などの大きくプレッシャーのかかる余裕のない状況下で確認できるほどの単純明快なイメージを最後に示します。

 

また、以下はラケット動作についてを中心に書いてありますが、

「膝をやや曲げた前傾姿勢の状態に、頭部から骨盤にかけて背骨で立った姿勢」、つまりまっすぐな体勢で実行することを前提としています。

視界が上下左右にぶれないことを前提としていることを留意して下さい。

 

また、ボールから「最後まで」目を離さないことも前提です。アウトボールとわかっていても目を離してはいけません。

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フェデラー選手は少なくとも、明らかなアウトボールだとしても、ボールは必ず最後の動きを目で追います。打ち出されたボールの回転量を跳ね方をみて確認しているのかもしれません。

 

このページ全体のテーマは【脱力】です。

テニスのフォーム作りをメカニカルベースで考える方を対象にしています。

カニカルベースといっても、

物理構造だけ理解するというよりは感覚で理解するようにしてください。

 

また、このページの9割はフォアハンドについて書いています。フォアハンドの説明をしていることを前提としてください。

フォアハンドの構造が理解できるとバックハンドや、ボレー、サーブにも活用できるようになると思います。

 

動く画像(GIF画像)を見る際は、自身の身体が同じ動きを再現している姿を想像してください。



2.【考え込まれたラケット動作過程】

フェデラーナダル選手の動き、従来持ちがちなフォームイメージと少し違います。


振り返る動作を使って最も少ない運動量で最大の球威が出るように打っています。ラケットから離れてからの球威・球速は素晴らしいですね。

ラケットに当たったかと思えば既に相手の手元にボールがあるといった感じで、着地点が予測しにくいです。

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(フェデラー 2012)


この触り方、一般のテニススクールなどでは進んで教えて来なかったようです。


38歳(2019年)でグランドスラム大会歴代最高の計20勝している戦術のプロ、ロジャー・フェデラー選手。全ての基盤である「打ち方」を全く考えないでここまで来ているとは思えません。


「天性・才能」という言葉で片付けていては学べるものも学べないので、才能ではなく努力で手に入れてきたものとして見ていきます。


彼らの身体の動かし方、トッププレイヤーがやるからには大きな利点があるのでしょう。

また、同じような「ラケットの扱い方」をブライアン兄弟のボブ・ブライアンが行なっています。

どこが同じであるか具体的に言うと、テイクバック(ラケットの引き方)です。

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(左: フェデラー2013,右: ボブ・ブライアン2016)

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 (ボブ・ブライアン2016)

 

 

3.【身体が貧弱であるからこそ】

一般的に、フェデラー打ちは「真似しにくい」と言われ、「普段の肉体作りが違う」という理由をつけて諦める方が多いのですが、実は逆です。

 

身体が貧弱であるからこそ有効な打ち方なのです。

 

野球のイチロー選手の【初動負荷理論】と同じ考えの元に生まれた打ち方です。

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「身体を大きくするための筋トレには賛成しません。ライオンは筋トレしませんよね」というイチロー選手の言葉があります。

 

プロ中のプロ、トッププロが行う【初動負荷理論】とは、自分のありのままの筋力を無理せずに超効率的に有効活用するための【身体の使い方】なのです。

 

プロ野球選手は、怪我をしてから治す人がほとんどです。しかし、大切なのは怪我をしないように普段から調整することです。怪我をしてからでは遅いのです。」というイチロー選手の言葉からもわかります。

 

ですから、誰かが「彼は特殊だから真似しない方が良い」と言うからといって、プロフェッショナルの貴重な参考資料を見ずに遠回りをすることはないのです。

また、トッププロ選手の完全コピーの必要はありません。

 

彼らの身体の使い方を見て学ぶことで、自分に合った【身体の使い方】を探すヒントを得ることができるのです。

 

 

では早速、フェデラー選手の『無意識』を『有意識』に落としていきます。

※以下の画像・説明を見る時は、自分がその動きをしている感覚を持ってご覧ください。

 

4-①.【フェデラー選手の打ち方】

 

①ラケットのグリップエンドから少し手がはみ出るように握る。

これは遠心力を最大限に利用するためです。

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②グリップエンド(手のひらに接触しているグリップエンド付近)を腕の一つの関節として考える

 

(※この時に、『手首』を関節の一つとして考えて打ちますと手首に無理な力がかかって故障します。関節の位置は肩・肘・グリップエンド(手のひら)」と考えます。)

 

ラケットの重さを最大限に利用して、タイミングバッチリの位置を探してください。

常に脱力していることと、

胴体の振り返り」がスイングの始まりということを忘れてはいけません。

 

左肩をコンタクトギリギリまでしっかり相手に見せてから右肩を出してコンタクトします。

※「左肩を相手に見せるまでの動き出しの動力」を一切殺さずに、その動力を全て右肩に流してコンタクトしてください。(フォアハンドの説明です。)

 

この胴体の動き(左肩→右肩)がなければただの手打ち(手首打ち)となり、より故障しやすく非力な打ち方になってしまいます。最期はテニス肘を引き起こします。

 

「胴体の振り返り」です。

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※ この時点で、

ボールとラケットが接触する時に

 

「瞬時に力を入れて体全体の質量をボールに当て、押し返している」というイメージは間違いです。

 

そちらのイメージですと、腕で衝撃振動をすべて受けることになるため治りにくい怪我をしますし、身体がすぐ疲れてしまいます。

なにより、最大パワーが低く、全てにおいて非効率的です。そのイメージではより楽な打ち方をしている相手との練習では長時間もたないでしょう。

 

身体を鍛えて体力を補う段階は、「全てにおいて超効率的で怪我をすることのない打ち方」を身につけたあとの話です。

 

 

ボールは、押すイメージではなく、ボールの横に入って身体の振り返りの動作過程でボールを巻き込むイメージです。

つまり、ボールの横に立って打たなければいけません。

 

「ボールを前で捕らえるように」と言われてきたかもしれませんが、

少なくともフェデラー選手とナダル選手はボールを横から身体の回転だけで巻き込むイメージで打っています。

 

押すイメージはどうしても手首に力が入ってラケットがブレるのでフレームに当たってしまいうまく力を抜いて打てません。

 

 

4-②.【ボールの触り方】

具体的な「完全脱力した触り方」とは、

力を入れていく方向性の「手首を固めるイメージ」を捨て、「手首をぐらんぐらんにして」力を抜いていく方向性の考え方で、ボールを『ペチンッ』とビンタ(平手打ち)します。インパクト後はラケットヘッドが先に出ていきます。

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このボールの触り方については、こちらのテニスビズさんの動画を参考にしてください↓

一度見れば忘れないでしょう。
https://youtu.be/aKyvV08WT7g

こちらが全ての基盤となります。

 

 

力を抜いていく方向性と力を入れていく方向性のイメージとの決定的な違いは、


インパクト時に腕全体が完全脱力しているかどうか」


です。

 

完全脱力していないから体に振動が入ってくるのです。テニス肘の元凶です。

ビンタのイメージで完全脱力を試みます。

ボールに当たるまでのスイングは、ドライブ回転をかけようとする軌道イメージではなく、

 

テイクバックによる「面が横を向いたラケット」をグリップエンド接触部位を支点(手首は×)に「体の回転の勢いで前に向かせる」イメージです。

 

これでボールを『ペチンッ』とビンタします。

 

一見、手首が柔らかく屈折しているので、「手首から動かし始めている」と考えることができますが、実際に手首から動かそうとして打つと、外観動作はこのようにはなりません。

 

そしてなにより、関節に痛みが現れ、長時間の練習ができません。

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屈折している部分が「手首」と考えていては、怪我をしてしまうのです。

 

この最初に注目しがちな間違ったイメージは、毎日強くコントロールしたボールでテニスを楽しみたい方達にとっては致命的な落とし穴・悩み所となります。

この問題は、「手首から、手のひらの真ん中あたりにまで支点のイメージを移動させること」で解決します。それだけです。

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もう一度、上の画像を「手のひらの真ん中」でラケットを向き返す気持ちになってご覧ください。※遠心力によって勝手に向き返るイメージです。

 

「コンタクト直前まで左肩を入れてから右肩を出す勢いで腕が勝手に前に出てきて、手のひらを支点にラケットがボールをビンタする」

です。

 

腕全体にドシンッとくる反動の段階はないのです。(手のひらには微量の反動がきます。)

 

カウボーイが投げ縄を投げるように、ラケットを遠くに放り投げるビンタのイメージを使って遠心力を最大活用しているのです。

 

その動きの流れを写真一枚・たった一点で観ると、あたかも手首を意識的に曲げて打っているように見えてしまうのです。

 

写真だけでは判断できないのです。写真ではわからないようなラケットのこれまでの動作が生む力・推進力が存在するのです。

 

是非、スプリットステップからフォロースルーが終わるまでの一連の動作を一つと考え、そこで初めてイメージ化し、参考にしてください。

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「手のひらの真ん中に関節のイメージを置くこと」

それだけです。

※手のひらです。手首ではないことを確認してください。

 

 

 

 

4-③.【手のひらはラケット返し動作の開始点】

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この「手首の存在を考えない」というのはつまり、上図のイメージです。手首の存在イメージを消し去り、手のひらにグリップが機械的にくっついたものと考えるのがよいでしょう。

 

グリップに触れている部分=「手のひら」がラケット動作の支点になっていますね。繰り返しますが、手首を支点にすることはどうしても怪我をします。

 

上図のイメージで、横に向いた面を上半身の振り返りで前に向かせる、以下の画像のような「(完全に)脱力したビンタ」をします。

 

前↑

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上画像のフェデラー選手の「影」に注目してみると、上図のラケット稼働イラストのイメージがより明確になると思います。

 

※ビンタのイメージがしにくい方は「ヌンチャク」をイメージしてみてください。

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ボールに当たる瞬間に手に戻ってくる衝撃はほとんどありません。

ヌンチャクのイメージを持っていれば、フォロースルーのイメージもつきやすいと思います。

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「手首の存在を考えない」ということ。

つまり、

「『自分で考えて手首を動かす』ことをなくすこと」

なのです。

 

「自然に動く可動範囲」を妨げてはいけません。常に力を抜いておかなければ連動がうまくいきません。

 

手首は、打ち始めから打ち終わりまで

常に「だらんだらん」に、脱力してください。

手首の本来の可動域を制限してはいけないということです。

 

また、この時に「手首を曲げる」ことはしないでください。

 「力を抜いてだらんだらんにすること」と反対のことを言っているように聞こえますが、

力を抜きながらも「手首を下に折る」ことは避けるようにします。

この点に関しては後述します。

 

 

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また、「右腕の推進力」を止めないこともポイントです。

左肩を見せる前の動作時点でラケットの遠心力を感じながら、その遠心力を殺さずにそのままボールへぶつけるのです。

 

打つイメージを一枚の静止画でつけてはいけない理由はこの推進力を保ち続けることにあります。

 

ラケットの遠心力の溜めは「テイクバックをする時」から始まっています。

ラケットを後ろに運ぶ勢いを殺さずそのままビンタして球を跳ね返します。

どうしても脱力が必要なのです。

 

テイクバックをしてからパワーを溜め始めるのではないという前提を確認してください。

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上図はラケットを引く動作のイメージを表しています。

肘以降の腕とラケットの中心に「一時的に」鉄の芯が入っていることを想像します。

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ラケットを引く動作の時「だけ」想像します。

その「鉄の芯」を肘の後ろからだれかに軽く引っ張られているかのように自然に後退させます。

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この時、「肘を中心とした円運動」が自然と起こります。

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腕が一番後ろまで引かれたときに腕が「自然に」伸びるのです。

※ここでは、「結果的に」腕が伸びてしまったというのが重要です。わざと自分から伸ばしてしまうと身体の連動を止め、さらに、ラケットとボールの衝突の衝撃を受け流すことができません。意図的な腕の伸ばしは怪我をします。

 

 

この鉄の芯のイメージの目的は

「脱力しながらも、手首を垂らさないようにすること」です。

「手首を、遠心力によって、まっすぐにしておくこと」が目的です。

「自分の体の力」で手首をまっすぐにしておくことはまずありません。

 

イメージ化など駆使し、自然界の慣性の力を利用できるフォームにして行くことです。

 

 

このイメージを「左肩を見せ、右肩を見せる」と組み合わせます。

 

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上半身の 振り返りは「左肩をコンタクト直前まで十分に相手に見せてから右肩を見せ、最後に肘を見せる」という考えでうまく動きが流れていくと思います。

(左肩をボール接触直前までキープしてから、一気に右肩が出て、最後に豪快に肘を見せているのがわかります。)

 

 

ラケット自体の動きが決して一点で止まらないことも確認下さい。

(※横からの角度で撮影した動画ではラケットが一瞬止まっている部分があるように観えますが、真上から見ると、円運動により、実は動いていることがわかります。↓

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円運動は横からではわかりにくいものです。

三次元的にイメージを持つと良いと思います。)

 

 

 

 

 

なぜ、「左肩→右肩みせる(フォアハンド)」という言葉の表現を使うのかと言いますと、

 

「腰をひねる」という表現よりも「脱力しやすい」表現であるからです。

(※ジュニア育成時等に「腰をひねる」という表現がよく使われるため、敢えて対比をしています。)

 

プロテニス選手は腰(=背中)をよく怪我する人が多く見受けられますが、その選手らは「腰」一点に集中して「ひねって」打つ意識をする方が多いと思います。

 

 

「腰をひねる」という表現が良くない理由は

 

・腰という一点であるため、身体動作の負担が集中して腰にかかる

・「ひねる」は能動的で自分から腰をひねりに行くというイメージで捉える

 

の2点です。

「左肩を見せて 右肩を見せる」という

身体動作を2つに分けることは体の負担・意識的なプレッシャーが軽減され、筋肉が緩みます。

 

また、「左手を相手に見せる」という表現とは別物です。

左肩より末端の部位に触れていない理由もあります。

「左手の手のひらから相手に見せるように意識したら、『左肩』を結果的に相手に見せることになった」というのは避けたいところです。

 

この「末端から動き出すイメージ」では、球が速く飛んできた場合に、タイミングが遅れてしまい、対応がしにくくなります。

 

 

左肩より末端の部位をイメージせず、

「直接」左肩を瞬時に相手に見せてください。

いきなり左肩を相手に見せるのです。

 

 

 

イメージを言葉にするときに1番難しいことは前提を無視しやすい傾向にあるということです。

無意識でやっていると故障してしまう原因となってしまう ”言葉” で、イメージを覚えるときは気をつけた方が良いです。

 

 

 

ナダル選手もしっかり肩を見せます。

 

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[参考]

〈肩の開き過ぎについて〉

右肩と左肩が開き過ぎないように注意してください。腕が肩より後ろにまで開いてしまうとコントロール出来ません。右腕と左腕は「ハ」の字を保ったままにしてください。

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〈グリップの握り具合について〉

手のひらでグリップを握る部分はおおよそ下図の赤色の範囲あたりです。

 

意外かと思われますが、ここが第三の関節=「支点」になります。(第一関節は肩,第二関節は肘です)

 

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※この位置は当然個人差があります。脱力出来ていればどこでも良いですが、手首に近くない方がビンタ(=脱力)しやすく関節を痛めないでしょう。

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(※ボール「接触タイミング」のイメージとしてお使い下さい。選手本人は打つ途中で動作を止めていませんので、素振りをするときに途中で止めないようにして下さい。

完全に脱力したビンタをすることを目的としています。)

 

 

〈手首を曲げることは良くない〉

テイクバック時に、手首をわざと不自然に曲げることはインパクトまでの安定しない時差が出てしまうため、やめた方が良いです。

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(ゲイブ・ハラミロ氏の”Making Champions”)

 

フェデラー選手は外観が手首をこねくり回すように見えますが、実はこねくり回してはいません。

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腕が脱力しているため、しなる動作をしていますが、手首をこねくり回すような変な癖はプロツアーでは致命的です。

 

手首は打つ寸前までブレないように安静にさせる必要があります。

※安静にしようとするほど「手首が、手のひら方向へ折れてしまう」現象が起こるかもしれませんが、この場合は、

「手首を手の甲の方向へ反らす」意識を持つと良いと思います。

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上記で述べた「鉄の芯のイメージ」を使います。

再記しますが、

この鉄の芯のイメージは

「手首を垂らさないようにすること」を目的として、

「自分の体の力」で手首をまっすぐに”固める”のではなく、

「遠心力によって」まっすぐに”勝手になる”ことです。

「手首が、一切の仕事をもしていない状態」にさせるのです。

 

その前提を踏まえて、

 

「手首を手の甲の方向へ反らす」意識を持つのです。

 

瞬時の動作に対応するためにも無駄な動きは省かなければなりません。

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手首は「手の甲」の方向へ反ることは良くても

「手のひら」の方向へ垂れることは避けてください。

「脱力しながら」も「手首を手の甲方向へ反らす意識」をします。

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そして、その「反らす」という意識は、インパクトの直前に「腕全体」をフッと脱力させる時点まで、続かせます。

 

 

インパクト以降の動作〉

インパクトの直後に

相手選手に「手のひらを見せる」ようにします。この期間は”ほんの一瞬”です。

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これをワイパースウィングと表現する場合もあります。

「自然の推進力」でワイパースウィングを行わなければいけません。

 

ワイパーのように”自分から動かす”のが良いということではないことを確認してください。

それでは、脱力による連動を失ってしまいます。

 

体が、ラケットスウィングの推進力によって勝手に動いた結果、”ワイパーのようなスウィングに観えた”というのが元です。

「脱力し続けること」がスポーツでは一番の課題です。

 

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インパクト後に「手のひらを相手選手に一瞬見せる」だけです。

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〈ボールで「面を切る」イメージについて〉

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《① : どんな球にも負けず、対応力のある面切り》

基本的にラケットは「グリップの延長線上(上図の①)」に触れるように打ちます。

なぜなら、「グリップの延長線上」は物理的な衝撃から一切逃げない位置であるからです。

 

また、この位置でボールをとらえることができれば、ラケットとボールが接触する「直前まで」ストレートとクロスの配球方向を選ぶことができます。

つまり、配球方向が相手に読まれにくい触り方のため、相手プレイヤーの思考の逆をつくことができます。

手のひらの「脱力ビンタ」と「①の面切り」が組み合わさることで実現できる技です。

 

回転はスナップバックとフォロースルーにより、自然にかかるため常にフラットに当てて下さい。

 

《②&③ : ボールに変化を与える面切り》

こちらのイメージでテニスされる方が多いかもしれません。

もし、基本が②のイメージであるのならば、

一度、①の触り方を基本にすると良いでしょう。

 

①は、【「楽をして強い球威」を打ち出す】ためには必ず必要な触り方です。

「手のひらの脱力ビンタ」と「①の面切り」です。

 

①の触り方の延長が②の触り方であるため、

②の触り方を「基本形にする」のは、物理構造・現象を考えると、怪我をしやすい打ち方となります。

①は物理的に負けない位置であることと、この位置が原因で怪我をすることはありません。

これが、①を基本形とする理由なのです。

 

②&③の話に戻ります。

②&③の位置は、①の「グリップの延長線上」の範囲から外れた場所でボールに触れるため、ラケットの「面ブレ」が起きやすくなります。

 

②&③は通常の軌道に、中程度から大程度の回転による軌道の変化を加えることができます。

 

(※打ち出したボールに強い威力があることを前提としています。

理由は「スナップバック現象」というものが関わります。そちらに関しては後述します。)

 

繰り返しになりますが、常に基本形は①です。フラットにインパクトさせることを忘れないでください。「力の抜けたビンタ」で「自然にひっぱたく」イメージです。

 

《④ : 余裕のあるときに回転で変化を与える》

①に比べては劣りますが、二番目に負けない面切りです。

面が、①と比較して、ブレやすい分、順回転がかかりやすくなります。

こちらも原則フラットに当てて下さい。

回転をかけようとして、無理に自然の流れを無視した不自然な動きを作り出すと、余計に回転はかからなくなってしまいます。

 

「トッププロ選手の」回転がかかる仕組みは「スナップバック現象」なのです。

 

 

スナップバックはストリングのたわみにより起きる現象のため、フラットに当てなければうまくいきません。

どんなショットも原則、プロの選手はフラットに当てています。

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※•••スナップバック

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ボールがラケット面に強く接触した勢いでストリングがたわんで戻る現象のことをスナップバックと呼んでいます。

 

 

4-④.【ラケット面に垂直にボールが接触

フェデラー選手、ナダル選手の打ち方は

ラケットに垂直にボールが接触していないと打ち出す角度が安定しません。

 

しかし、この打ち方のポイントを習得していない段階で、力ずくで無理やり真似をし、打ちたい方向に調整してしまうとこの打ち方の利点がなくなります。

 

フェデラーナダル選手の打ち方の利点とは

 

最小限の筋力で、体に負担なく、底なしのパワーが出る球をコントロールできることです。

 

「怪我をしない」ラケットの扱い方なのです。

 

粘り強く脱力のタイミングを探してみてください。

この打ち方は手首にも肘にも負担がないのです。

(怪我しないのには柔軟性が必要です。身体が常に柔らかく、肌はプニプニとした状態をイメージしてください。

呼吸で一回息を吐く毎に身体全身の力が一段階ずつ抜けていくイメージで段階毎に脱力してみてください。)

 

「垂直に接触」というイメージは、「フラット気味なボール」になるのではないかと思いがちですが、

 

打撃の強い打ち方であれば、ストリングの食いつき(スナップバック)によって回転は勝手にかかります。回転量はフォロースルーの仕方で自由自在に操れます。

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(ナダル2017)

 

ドライブ回転で有名なラファエル・ナダル選手はボールを叩き潰して回転をかけるトッププレイヤーです。

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彼は常に基本が「ボールを叩き潰す」という打ち方なのです。

 

通常、彼はボールを叩き潰すことを確認してからフォロースルーをします。

叩き潰す動作と回転をかける動作の比率はおおよそ、8:2の割合で取り組んでいると思われます。

 

これは、初めから「擦り上げようとするスイングの意識」ではナダル選手のこのスイング動作と打ち出される球威は出ないだろうという推測の元の考えです。

 

ロジャー・フェデラー選手ももちろん基本はボールを叩き潰すスナップバック型です。

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(フェデラー2017 AO)

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叩き潰す動作8に対して、回転かける動作2のフォロースルーに回転量をコントロールする技があるのでしょう。

 

基本の打ち方が「ボールを擦り上げる」という意識で打っている方は、第一に回転ばかりを気にして、ボールに球威がないことが多いです。

 

強いボールを打とうとした時、無理に球威を出そうとするので、手首等故障する可能性がありますし、よくフレームにボールがあたります。

 

 

5.【古くなったストリングは非効率】

古いストリングガットでは、ストリング同士の摩擦が強く、打った後にストリングがずれたまま戻らなくなります。

これではスナップバック現象が起こらずに、ボールが思う方向に飛ばない、又は、思い通りのスピンがかからない、ボールがラケット面からこぼれ落ちます。

 

これはボールのコントロール練習が足りないのではなく、ストリングの状態が悪いから起きることです。

 

その現象を解消されたい方はテニスワンさんのリンクへ↓

https://www.tennis-one.jp/wp/gut-live/

スナップバックの仕組みの解説が載っており、『ガットライブ』というストリング同士の摩擦軽減液を3000円弱で購入できます。

 

 

これを毎回の練習で使うことでストリングが新品同様に可動しますので、ラケットの不備によるミスが無くなり、自分のミスだけに集中できるため、練習が効率的になります。

 

 

 

[参考]

垂直に当てることが難しいという場合、ラケットの扱い方を考える前にボールの近づき方を工夫するのが良いでしょう。

 

・ボールへの近づき方・距離の取り方に不安のある方は『ダブル・リズム(フットワーク)』という球への接近法を試してみてください。

 

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ダブル・リズム(フットワーク):

トトンットトンッ」というリズムでボールとの距離を調節するステップです。

 

アンドレ・アガシマリア・シャラポワ錦織圭選手を輩出したIMGアカデミー(ゲイブ・ハラミロ氏)で行われているステップです。

 

このステップの目的は、距離の微調整です。

このステップを入れることで、ボールとの微量な距離の誤差をなくすことができます。

 

風の影響で球が横に流れていくときや、球の着地点の予測ミスなども、このステップにより瞬時に修正できるのです。

 

 

フェデラー選手もしっかりこちらのステップを使います。

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(フェデラー2013)

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(フェデラー2017)

 

youtu.be

(ゲイブ・ハラミロ氏の”Making Champions”)

 

 

 

 

 体制の取り方について紹介します。

 

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フットワークを学ぶ前に身体に覚えるべき形です。

この点、当たり前のようで当たり前のようにできていないかもしれません。

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また、もう一つボールが垂直に当たらない原因として身体の中で軸が維持できていない場合が考えられます。

 

・軸を保つ方法として挙げられるのが、

インパクト時に「顔を残すこと」です。

 

「顔を残す」とは、ラケット面とボールが当たる点に顔を向けたままにする(=胴体の回転と逆の方向を向こうとする)ことです。

 

慣れるまではフォロースルーが完全に終わるまで頭は向け続けたほうが良いでしょう。

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「胴体の回転の勢い」を「頭による逆を向く回転の勢い」で打ち消します。

 

打ったあとは慣性の法則によって左右の引き合いがゼロになります。

バランスの良い位置に身体が留まるので負荷なく次の球に備えることができます。

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(フェデラー)

 

 

顔を残さないと、身体の回転で顔(=軸)まで一緒に回ってしまいます。

返したい方向にボールが返らないことが起き、最期は力づくで調整することになるのです。

力づくは怪我の元です。

つまり、ストレートに打ちたかったのに意図せず身体が回りすぎてしまってクロスに行ってしまったという時などが例です。

 

顔を残さないだけで、コントロールも出来ず、打った後に体制が崩れてしまいます。体制が崩れると次のボールにすぐに向かえなくなります。

負荷をかけて身体を動かさなければなりません。

 

 

負荷をかけないために・怪我をしないために、地面を蹴りかえすなどして、体全体のバランス・軸がブレぬよう身体の中の引き合いを±0にする、打ち消す必要があるのです。

 

 

地面を蹴り返すと言いましたが、やはりここでも下半身の柔軟性を意識して身体に無理ない、余計な力の抜けた自然な蹴り返しをイメージしてください。

足首をリラックスさせてください。

 

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(ナダル2013)

ナダル選手も常に顔を残しています。

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故障しそうな打ち方をしないことは生涯スポーツをやる上では大切なことです。怪我をしない打ち方を探すと良いと思います。

 

 まず基本をボールを叩き潰す(スナップバック)イメージで打つことができれば、プロの回転とプロの球威を同時に体感できると思います。

 

 

 

6.【最後に】

インパクト時には息を吐きましょう。

身体は息を吐くときに柔軟性が高まります。

 

インパクトの瞬間に息を吐く、

逆に言うと「息を吐いている間」にインパクトをすることです。

以下、フェデラー氏の呼吸に注目してください。

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息を吐くと体の余分な力が抜けます。

 

 

インパクト時に腕とラケットが同直線上にあると、球威が上がります。

主にフラット気味のボールを打ちだす際に使います。

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 この意識があるとないとでは大きく違いますので参考にしてみてください。

 

また、左腕に関して、

フェデラー選手のように、テイクバックの前半、肘を曲げずにまっすぐ伸ばすように心がけることで見た目が綺麗になります。

「テイクバックの前半」です。

「始めから終わりまでまっすぐ伸ばす」という意識とは違います。

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(フェデラー)

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(ジョコビッチ2015)

 

グリップを厚く握る方はジョコビッチ選手を参考にしてください。肘以降の腕とラケットが同直線上のイメージです。

 

 

以上の打ち方でフォアハンドを習得することができれば、自然とバックハンドも同じように打てるようになります。

 

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(ナダル)

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(フェデラー 2015)

 

 

 

7.【単純明快なイメージまとめ】

・脱力した手のひら支点

・ビンタ(最優先項目)

・左肩→右肩を極端に見せる

・打つ瞬間に息を吐く

・顔面は逆方向へ

・地面押し返し

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・ラケットの遠心力イメージ

=ヌンチャク 

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確認手順

①左肩→右肩→肘を極端に見せているか

(左肩を見せる前の動作時点でラケットの遠心力を感じ、その遠心力を殺さずにそのままボールへぶつけられているか)

②完全脱力した手のひらを支点にビンタ(=ヌンチャク)できているか

③腕とラケットが同直線上にあるか

④顔はスイングと逆方向へ向けられているか

 

 

「ビンタ」できるかどうかが最重要項目です。「ビンタ」が出来なければ他の動きも連動しません。

 

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以上です。

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フェデラー選手・ナダル選手、

打ち方を完全コピーしなくても彼らの身体の省エネ動作から何か学びとれるものはないでしょうか。

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(2018 US open)

 

最後まで見てくださり、

ありがとうございます。

機会がありましたら今後も更新していきたいと思います。

よろしくお願いします。